メンタルヘルス対策の現状と問題点を分析する
現在行われているメンタルヘルス対策として、調査、フォロー、研修・研鑽が主たるものとして挙げられます。 しかし、「心」の分野においての後進国である日本において、その主流となっている方法はまだまだ改善すべき問題点がまだまだあると考えています。
メンタルヘルス対策の現状と問題点
現在行われているメンタルヘルス対策として、調査、フォロー、研修・研鑽が主たるものとして挙げられます。 しかし、「心」の分野においての後進国である日本において、その主流となっている方法はまだまだ改善すべき問題点がまだまだあると考えています。
1.メンタルヘルス調査において良く見られる現状
【改善すべき問題点】
(1)
目に見えない「個人の内面」を、面談という個人の主観が大きく左右する手法での評価・診断が主流である点
事例1
期日のある仕事が行き詰まっており、その仕事の事を考えると気分が落ち込む。それを産業医に相談したところ、5分程話を聞いて、「うつ状態だね」と言われ、その後、その診断をもとに休職。 依頼を受け検査及びカウンセリングを行ったところ、無意識に仕事から逃れるための理由を探していたところ、たまたま産業医より都合のいい診断が出たため、それを理由として仕事から逃げだしただけと判明。その後の継続支援の結果、自主退職となる。
事例2
部下の異変に気付いた上司が企業内にある診療所への受診を進めたため、部下は受診。その際、「大丈夫です」 「やりがいを持って仕事に取り組んでます」とのコメントが本人よりあったため、問題無しと判断。その後 該当従業員は鬱により自殺をしたため、新たなメンタルヘルス対策を当協会に依頼。自殺者遺族とは現在裁判係争中。
(2)
人間には個人差と人間的特性が必ずあるが、それを無視した一方向の検査が主流である点
事例1
他社のストレスチェックで「問題なし」と評価された方が突然メンタル不調を発症し休職したため、企業様より 社会保険労務士を通じて相談を頂く。いくつかの検査を実施し、受けているストレス量は問題は無かったが、ストレスへの対処能力が著しく低く、通常適切と判断されるストレス量であってもメンタル不調を起こしやすい事が判明。協会にて、ストレスへの対処能力を上げる支援を行い、現在復職。
事例2
前年他社のストレスチェックを実施。ストレス加重と判断された従業員は全体の2%程度という結果。しかし、メンタル不調を訴え正常勤務が出来ない従業員は6%程度にも上る。協会にてストレスではなく、「精神健康状態の評価と精神健康状態維持スキル」という観点で調査を行ったところ、精神健康状態に問題があると評価された従業員11%、維持スキルに問題があるとされた従業員が8%という結果になる。
(3)
メンタルヘルス対策の結果は本来経営資源とされるべきものだが、様々な要因により経営資源に出来ていない点
事例1
小売業を営まれている企業様でメンタルヘルス調査を実施。概ね業界の平均値程度の結果が出たが、組織分析をしていくなかで、売上不振のいくつかの特定店舗にメンタル不調の傾向が集中。また、職務におけるストレス傾向においても、ある項目について強いストレスを感じているという傾向が強く出る結果に。その結果に基づいた、管理者に対しての研修と職場環境改善、人材配置を行ったところ、直近の効果として、売上の回復と人材定着の効果が見られた。
2.メンタル不調者支援によく見られる現状
【改善すべき問題点】
- メンタルヘルスチェックで支援が必要と評価された方へしっかりと接触し、継続的かつ的確な支援を行えているのか?
- 復職にこだわりすぎる支援が、逆にメンタル不調からの回復を妨げてしまっていないか?
- 境整備に支援の軸足を置きすぎて、個人要因の改善がおろそかになっていないか?
3.セルフケア・ラインケア研修に見られる現状
目に見えない「個人の内面」を、面談という個人の主観が大きく左右する手法での評価・診断が主流である点
事例1
期日のある仕事が行き詰まっており、その仕事の事を考えると気分が落ち込む。それを産業医に相談したところ、5分程話を聞いて、「うつ状態だね」と言われ、その後、その診断をもとに休職。 依頼を受け検査及びカウンセリングを行ったところ、無意識に仕事から逃れるための理由を探していたところ、たまたま産業医より都合のいい診断が出たため、それを理由として仕事から逃げだしただけと判明。その後の継続支援の結果、自主退職となる。
事例2
部下の異変に気付いた上司が企業内にある診療所への受診を進めたため、部下は受診。その際、「大丈夫です」 「やりがいを持って仕事に取り組んでます」とのコメントが本人よりあったため、問題無しと判断。その後 該当従業員は鬱により自殺をしたため、新たなメンタルヘルス対策を当協会に依頼。自殺者遺族とは現在裁判係争中。
人間には個人差と人間的特性が必ずあるが、それを無視した一方向の検査が主流である点
事例1
他社のストレスチェックで「問題なし」と評価された方が突然メンタル不調を発症し休職したため、企業様より 社会保険労務士を通じて相談を頂く。いくつかの検査を実施し、受けているストレス量は問題は無かったが、ストレスへの対処能力が著しく低く、通常適切と判断されるストレス量であってもメンタル不調を起こしやすい事が判明。協会にて、ストレスへの対処能力を上げる支援を行い、現在復職。
事例2
前年他社のストレスチェックを実施。ストレス加重と判断された従業員は全体の2%程度という結果。しかし、メンタル不調を訴え正常勤務が出来ない従業員は6%程度にも上る。協会にてストレスではなく、「精神健康状態の評価と精神健康状態維持スキル」という観点で調査を行ったところ、精神健康状態に問題があると評価された従業員11%、維持スキルに問題があるとされた従業員が8%という結果になる。
メンタルヘルス対策の結果は本来経営資源とされるべきものだが、様々な要因により経営資源に出来ていない点
事例1
小売業を営まれている企業様でメンタルヘルス調査を実施。概ね業界の平均値程度の結果が出たが、組織分析をしていくなかで、売上不振のいくつかの特定店舗にメンタル不調の傾向が集中。また、職務におけるストレス傾向においても、ある項目について強いストレスを感じているという傾向が強く出る結果に。その結果に基づいた、管理者に対しての研修と職場環境改善、人材配置を行ったところ、直近の効果として、売上の回復と人材定着の効果が見られた。
- メンタルヘルスチェックで支援が必要と評価された方へしっかりと接触し、継続的かつ的確な支援を行えているのか?
- 復職にこだわりすぎる支援が、逆にメンタル不調からの回復を妨げてしまっていないか?
- 境整備に支援の軸足を置きすぎて、個人要因の改善がおろそかになっていないか?
3.セルフケア・ラインケア研修に見られる現状
厚生労働省の指導のもと、メンタルヘルスに関する様々な研修が行われています。セルフケア、ラインケアのための研修自体は非常に有益なものだと考えますが、その内容には本来の研修の目的を達成するためには、疑問符がついてしまう現状があります。
【メンタルヘルスに関する研修における問題点】
- 個人個人が自分の状態や特性、気質といった自身の本質的な基本情報がないまま、または知らないままでセルフケアのための研修を受けて、自分で自分のメンタルをケア出来るようになるのか?
- 従業員や部下のメンタル状態を知らないままライン研修を受けた管理職が、本当にラインケアが出来るのか?
- 「部下がこのような状態になった時は、このように対処しましょう」という研修は非常に多いが、対処療法的な研修のみで本当に良いのか?
本来であれば、その対処を行う目的や根拠まで理解して貰わないと、個人差が非常に大きいメンタル不調には的確に対応できないのではないか?
- 実際の研修内容を、実際に実施し、その後の検証や効果測定を行っているのか?
本来であれば、その対処を行う目的や根拠まで理解して貰わないと、個人差が非常に大きいメンタル不調には的確に対応できないのではないか?
いくつかの事例も提示しながら、今実際行われているメンタルヘルス対策の問題点・疑問点をご紹介しました。 では、メンタルヘルス対策はどうあるべきなのか?メンタルヘルス対策の本来あるべき姿が以下でご紹介します。
メンタルヘルス対策「5つのあるべき姿」
- 目に見えない人の「心」と「精神」の状態をチェックするのであれば、出来得る限りの客観性を担保したうえで評価すべき。
- メンタルヘルスチェックは、人間個人の特性と個人差を考慮したものであるべき。
- メンタル不調後のケアは、いかに不調者との接触を持ち、「復職」よりもまず、「個人の回復」を目指すべき。
- 環境整備はもちろん重要だが、同レベル以上での個人要因の改善をすべき。
- 「予防」という観点により軸足を置いたメンタルヘルス対策をすべき。
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